素数に関する事は様々な方向から眺めた本を多角的に読むのが良いと思う。この本は「素数に憑かれた人々」と合わせて読みたい。素数の世界は簡単なようでその闇は深い。そこに挑む事が出来るのは少数の天才達だけで、凡人である我々は近づくことすらできない。しかし、彼らの人間模様を眺めるだけでも何とかその世界をかいま見ることができる。例えていうなら数学版プロジェクトXである。本当に数学を研究したい人はブルバキでも読んでください。
リーマン博士の大予想 数学の未解決最難問に挑む素数に関する事は様々な方向から眺めた本を多角的に読むのが良いと思う。この本は「素数に憑かれた人々」と合わせて読みたい。素数の世界は簡単なようでその闇は深い。そこに挑む事が出来るのは少数の天才達だけで、凡人である我々は近づくことすらできない。しかし、彼らの人間模様を眺めるだけでも何とかその世界をかいま見ることができる。例えていうなら数学版プロジェクトXである。本当に数学を研究したい人はブルバキでも読んでください。
リーマン予想というのはヒルベルト問題(23問)のなかでも最も難問とされ
ると言われているそうだ。四色問題やフェルマー予想が比較的身近な話題であ
ったのに比べ、リーマン予想は設問そのものが高級で近寄りがたかったので、
私の場合理解しようという気もおこらなかった。この本は、ガウスが素数の現
れる頻度を実際に数え上げるエピソードから始めることで、この世紀の難問の
由来が実は素朴な疑問からきていることを教えてくれる。ガウスの素数定理ー
今回初めて馴染むことができた。オイラーのゼータ関数ー今回初めて馴染む
ことができたし、その美しさに感動した。そしてリーマンのゼータ関数。
ゼータ関数の名前くらいは昔から知っていたが、それが何を意味するかさっぱ
り分からなかっただけに、今回この本でその意味することを(自分なりに)
理解できた(ような気がした)ことは驚きであった。これまで私はこの手の
書物でこれだけ高級な事が理解できたためしが無かっただけに、とても驚い
ている。構成が実に丁寧である。記述も実に丁寧である。素人にわかるわけが
ないので、手を抜く・・という箇所が全くない。曖昧な書き方の部分があると、
素人にはさっぱりわからなくなる・・というのがこの手の書物の欠点であるが、
この本にはそのような手抜きが全くないのである。わかりやすい解説書の見本
のような本だと思った。
訳がとてもわかりやすい。惜しむらくは、最後の監訳者の解説がわかりにくい
ことと原本の一部が訳されていないこと。
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