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早坂氏の小品は、どれもどこかに日本の雅楽や民謡特有の香りが漂っているのですが、それでいて野暮な印象を与えることはまるでなく、寧ろその即興的なセンスの良さはドビュッシーに近いものがあります。武満徹が私淑したという話も、これを聴くと素直にうなずけます(ただし武満徹と違い、早坂文雄は純粋な無調の音楽の領域には遂に踏み込まなかったようです。)。日本人作曲家がいかにして民族的なアイデンティティを棄てずにクラシック音楽を作るか、という命題の一つの答えが、ここにあるような気がします。
特に印象に残ったのは、恋を歌った王朝和歌に触発されて作曲したという「恋歌・No.4」です。これは、恋の激情というよりは、夜、ひとり物思いに耽るようなやさしいメランコリーに満ちた美しい音楽であり、ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」やプーランクの「メランコリー」といったフランス屈指の泣きのメロディにも十分比肩しうると思います。「一体どの歌を読んで作ったんだろう?」などと思いを巡らすのも一興ですよ。
~ご存知黒澤映画の音楽で有名な氏の作品集。スケールの大きな作風はここではありません。しかし、美しすぎるピアノの小作品が全22曲。どれも珠玉の出来!「日常生活における深い静かな、そして短くとも芸術味に富んだピアノ曲が欲しいとおもふ。さういふもののためにこのピアノ曲を役立てたいと思ふ」といった氏の言葉通りにこの作品は、作曲者としての素顔とも~~言えるものに仕上がってます。未出版の4作品もあり。ファンならずとも非常に興味深い内容。日本人ならではのメロディーもきっと心に染みるでしょう。全曲高橋アキによる演奏で、音からも作品に対する愛情、共感がひしひしと伝わってくる。文句なしの5点。~ 写真集
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